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樹脂香を燻らせて神話と伝承の世界に遊ぶ②

  • 執筆者の写真: dolpy
    dolpy
  • 2020年7月4日
  • 読了時間: 6分

「ミスルトゥ」はヤドリギで、「ワームウッドは」ニガヨモギ~樹脂香ブレンド、その中味

樹脂香

  前回ご紹介した12のブレンド樹脂香の、素材をひとつずつ見てみます。 すべての香はリラクゼーションと瞑想の環境つくりをヘルプします。 おおかたウィキだとか、アロマ専門店さんが解説していますので、 そこにはない民俗学的資料などのなかからストーリーをレポートしてみます。 香りは文字では極めて伝えにくいもの。 個人的な感想ですのでかるくご参考までにしてご理解ください。 もうひとつ、これは驚くべきことかもしれませんが、 ひとつひとつの香りを取り上げると、必ずしも「いい香り~」とはいえないです。 それがブレンド(調合)されて麗しの香となる、ああ、不思議。

フランキンセンス=乳香 すべての樹脂香のメインをなすもの。 キリストの誕生の時に東方の三賢者が捧げた宝物のひとつ。 黄金と並ぶ価値があったそうです。

乳香 フランキンセンス

  乳香だけの袋をあけてみても、そんなに香らないです。 ハーブを揉むように、指先で少し揉んでみると(固いです。) 真新しい家具の匂い(?)がします。

乳香を焚く

  焚くと、とても良い香りです。 まろやか、木、あたたかみ。 甘くもありますが、バニラのようなものではありません。 鼻は近づけない方がいいかも。とても強く香ります。くらっとします。 部屋全体が、西洋のお寺のような雰囲気になります。

ミルラ=没薬 乳香と一緒にキリスト誕生のときに三賢者から贈られた宝物のひとつ。 ちなみに、贈られたものは、「乳香・没薬・黄金」でした。 ミルラはDOLPOにビーズとして販売しています。

ミルラ(没薬)

  これは袋を開けた途端にとても強い香りがします。 香りが飛ばないようにジップロックしていますが、引き出し全体がミルラの香りでいっぱいになっています。 一粒焚いてみましたら、乳香よりも強く、スパイシー。 ムスクが官能的な香りとされますが、それに似た力強さがあります。 乳香が女性的で没薬は男性的とでも表現できましょうか。。。。 と、ここまでポジティブに感想を述べてみましたが、 かなり長く、鼻腔に残っている感じです。 古く湿った紙を燃したような匂いで、嗅覚がわりとよいわたくしめ(と、娘が言う)には、きついです。 ミルラはMyrhhと書きます。最初、読めませんでした。 没の字があるように、古代エジプトではミイラ作りに使われたと言います。 ミイラはミルラを語源としているという説があるほどです。 これはミルラに殺菌作用が認められていることに依ります。 昔のヒトはどうやってそれを知ったのでしょうね。すごい。

コパル=Copal 菊科の芳香樹脂。琥珀完成の手前の段階。 コパルの語源、コパリはナワトル語(アステカ語族・ナワ語群)で「香」。 コパルの木に穴をあけ、アロエの大きな葉で樹液をとり、固化させるのだそうです。 エレメントは火、太陽。 7番目のチャクラ、クラウンチャクラに影響し幸福をもたらすとされる、柑橘系の香り。 メキシコだけでなく、東アフリカでも産出されますが、 こちらはヨーロッパに渡り、ニス(ワニス)として家具や馬車作りに使われました。

スチラックス=Styrax=安息香または蘇合香 スチラックスは調べれば調べるほど戸惑います。 もともとエゴノキ類の特定の樹木から採取された芳香の樹脂で より安価なマンサク科の樹脂にかわったといいますが、 どちらもスチラックスの記載があるのです。 調べまくっているうちに高野山のお香のお店を発見。 そこでしっかり蘇合香と安息香の違いをみることができます。

  ぜひ一度、足を運んでみたいものです! さあ、他の香料についてざっくり見てみましょう。

アラビアガム アカシア樹脂。乳化剤、安定剤として食品添加物でもおなじみ。

オークバーク=コナラロバー、ホワイトオークの樹皮 安全なハーブ療法のひとつとして認識され、 1916年以降、米国薬局方にリストされています。 タンニンを多く含み、皮膚の炎症やかゆみ止め、傷の治療に利用されています。 また皮の鞣しにも使われるそうです。 ワインやブランデーを熟成する樽がオークであるのは、その香りをいかすためでもあります。 オークの香りのエッセンス、アブソリュート(芳香物質)は、 含まれるバニリンの由来でバニラやココナッツのような香りがするそうです。

ワームウッド=ヨモギ、ニガヨモギ 小さい頃、転んで擦り傷をこしらえたとき、 近くの畦のヨモギをむしって、揉んで、傷にすりつけたこと、ありませんか? ヨモギは消化器系や外傷の痛み止めに使用されます。 ヨモギ油は芳香剤、殺虫剤として使われています。 白ワインをベースにしたベルモットや薬草系リキュール・アブサンの香料のひとつでもあります。 今回使われている「ワームウッド(worm wood)」はニガヨモギ。 さまざまな薬効にもかかわらず、苦いために、ネガティブなものの象徴として、聖書やヨーロッパの言い伝えに登場します。 中枢神経に作用するため、多用すると幻覚症状を引き起こす可能性があります。 魔術、呪術、シャーマニズムに登場するハーブには多かれ少なかれ 幻覚・幻聴を誘うものがありますが(浄化のホワイトセージも同様です) 各地で継承される有能なシャーマンや賢者には単に自己を失うのではなく、 この現象を超越して、本質を見抜く力があったのだとおもっています。(バリ島でそう感じました)

ジュニパーベリー=セイヨウネズ ジンの香りの元。ヒノキ科ビャクシン属の針葉樹。

ミスルトゥ=ヤドリギ類 世界には1500ものヤドリギの類がありますが、ポピュラーなのはViscum albumと呼ばれるものです。 イギリスではクリスマスを祝うリースに、 そのほかのヨーロッパ各地では新年の祝いに使われます。 ヤドリギの下でキスをするというロマンチックでハッピーな伝統は1700年代からはじまったとされますが、 ヤドリギに関わる風習や信仰はさらに古く、定かではありません。 ヤドリギの生命力、繁栄する力にあやかって恋人達が絆を結ぶのです。 冬、枯れてしまった木々の上で青々としているヤドリギにあやかったものです。 また古代ノルウェーとスカンジナビアでは  ヤドリギの若枝はオーディンとフリッグの息子バルドルを刺した剣、 そしてその白い実は愛の女神フリッグが息子のために泣いた涙であると物語られています。 ギリシャやローマでも友情と平和の象徴とされました。

ミスルトゥ(ヤドリギ)

  ローズやジャスミンについてはおなじみなので省略します。 素材をみているだけでひろがるファンタジックな世界、 おもしろいですね、ふしぎですね!

  12の香はそれぞれ少しずつ違って、個性があります。 素材ひとつでは鼻をつくだけのようでもありましたが、 樹脂と草木が合わさって「芳香」と呼ぶにふさわしくなっています。 たくさん焚く必要はありません。 すこしだけをゆっくり燻らせて、 世界の神話の世界に浸るのも、愉快ではありませんか。 ほんとうに心のトリップといえそうです。

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